2026.01.22
抄読会レポート:HPVワクチンの1回接種vs2回接種の非劣性試験
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは子宮頸がん予防の重要な役割を担っています。近年、国際的には2回接種が標準的な接種回数とされていましたが、世界全体でのワクチン接種率は依然として不十分な状況が続いていました。その後、1回接種の有効性を示唆するデータが示されたことと、ワクチンへのアクセス向上という視点も踏まえて、WHOは1回接種を代替のスケジュールとして提示しています。
今回取り上げた論文は、コスタリカの12歳から16歳の女性を対象に、HPVワクチンの1回接種が2回接種に対して非劣性であることを検証したランダム化比較試験です。その結果、5年間の追跡期間において主要評価項目であるHPV16およびHPV18の持続感染に対する予防効果は1回接種が2回接種に対して非劣性であることが示されました。
抄読会では、この研究によってWHOの1回接種の推奨を支持するデータが示されたことや、日本の現在のHPVワクチンの推奨スケジュールとの違いなどが取り上げられました。今回の研究によって、世界規模でのHPVワクチンの接種率向上に寄与することが期待されます。
今回取り上げた論文は下記のとおりです。
Noninferiority of One HPV Vaccine Dose to Two Doses.
N Engl J Med. 2025;393(24):2421-2433.
※ 感染症学講座では、専門人材の育成と学生教育を目的として、感染症分野の注目論文を取り上げる抄読会を定期的に開催しています。本記事は感染症学講座における抄読会の活動報告を目的として作成されたものであり、特定の疾患に対する診断・治療を推奨または否定するものではありません。内容の正確性には十分配慮しておりますが、詳細については必ず元の論文をご確認ください。なお、実際の医療現場での適応に関しては、医療専門職の判断に基づいてご対応ください。