活動報告

Activity

2025.10.12

抄読会レポート:REVISIT試験にみる新規抗菌薬アズトレオナム・アビバクタム

感染症学講座では、専門人材の育成と学生教育を目的として、感染症分野の注目論文を取り上げる抄読会を定期的に開催しています。今回はその一環として、以下の論文を取り上げました。

 

Aztreonam-avibactam versus meropenem for the treatment of serious infections caused by Gram-negative bacteria (REVISIT): a descriptive, multinational, open-label, phase 3, randomised trial

 

Lancet Infect Dis. 2025;25(2):218-230

 

薬剤耐性菌の増加や拡大は世界中で大きな懸念となっています。その中で近年、新たなベータラクタマーゼ阻害薬を配合した抗菌薬の開発が進んでおり、アズトレオナム・アビバクタムは、メタロベータラクタマーゼを産生する腸内細菌目細菌(カルバペネムにも耐性)に対する治療選択肢として注目されています。この研究は、複雑性腹腔内感染症や院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎を対象に、アズトレオナム・アビバクタムとメロペネムを比較したものです。その臨床的治癒率は、アズトレオナム・アビバクタム群68.4%、メロペネム群65.7%と同程度で、安全性についても新たな懸念はありませんでした。抄読会では、原因菌に占める耐性菌の割合が少なかったことについて議論されました。また、アズトレオナム・アビバクタムは(20251012日時点では)日本で未承認・未発売であることについても共有され、将来的に必要となる場面を想定し、その役割について検討されました。

 

 本記事は、感染症学講座における抄読会の活動報告を目的として作成されたものであり、特定の疾患に対する診断・治療を推奨または否定するものではありません。内容の正確性には十分配慮しておりますが、詳細については必ず元の論文をご確認ください。なお、実際の医療現場での適応に関しては、医療専門職の判断に基づいてご対応ください。

 

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