活動報告

Activity

2025.09.30

抄読会レポート:ペニシリン感受性Iのレンサ球菌性IEの抗菌薬併用療法

感染症学講座では、専門人材の育成と学生教育を目的として、感染症分野の注目論文を取り上げる抄読会を定期的に開催しています。今回はその一環として、以下の論文を取り上げました。

 

Impact of Intermediate Susceptibility to Penicillin on Antimicrobial Treatment and Outcomes of Endocarditis Caused by Viridans and Gallolyticus Group Streptococci. 

 

Clin Infect Dis. 2023;77(9):1273-1281. 

 

ペニシリンの感受性がI (intermediate)viridans group および gallolyticus group のレンサ球菌による感染性心内膜炎では、従来βラクタム系抗菌薬にアミノグリコシドを併用する治療が推奨されてきました。しかし、併用療法の有効性を裏付ける明確なデータは乏しく、腎毒性などの副作用リスクが問題視されることから、近年はセフトリアキソン単剤が選択されることも増えています。今回の研究は、このような状況における抗菌薬選択(併用か単剤か)と治療成績の関連を後ろ向きに検討したものです。その結果、単剤治療でも院内死亡率は悪化しなかったことが示されました。有害事象のリスクを考慮すると、今後は単剤治療を選択する場面がますます増えていきそうです。

 

 

 本記事は、感染症学講座における抄読会の活動報告を目的として作成されたものであり、特定の疾患に対する診断・治療を推奨または否定するものではありません。内容の正確性には十分配慮しておりますが、詳細については必ず元の論文をご確認ください。なお、実際の医療現場での適応に関しては、医療専門職の判断に基づいてご対応ください。

 

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