教授あいさつ

Greeting

 

感染症に負けない
強靭な山梨県を目指して

山梨大学医学部感染症学講座 特任教授
山梨大学医学部附属病院感染制御部 部長

井上 修
Osamu Inoue

2022年4月、山梨大学医学部にも感染症学講座が開講いたしました。私はこの新しい講座の立ち上げから運営までを担う井上 修と申します。

2020年春からのコロナ禍はヒト-ヒト感染を引き起こす新興再興感染症や新感染症に対して社会が想像以上に脆弱だったという事実を炙り出しました。21世紀に入りまだ約20年ですが、すでに我々はSARS、MERS、エボラウイルス病、サル痘、梅毒など多くの感染症の流行を経験しています。よく耳にする新型インフルエンザ感染症の流行も10年から30年に1回程度の頻度でやってくることが知られています。このように感染症は途切れることなく我々を襲ってきます。

感染経路の不明な感染症から身を守りつつ社会でどのように生活を営むか。どのようにして医療を提供し続けるか。これらは感染症対策の領域となります。我々はこれまで山梨大学医学部附属病院の感染症対策部門である感染制御部として活動し、コロナ禍では山梨県全体の新型コロナ対策でもその知識と経験を活かし一翼を担ってきました。

今回の感染症学講座の開講は、感染制御に加え感染症治療の視点からも感染症を理解し、今後の山梨県をリードする医療者の育成が主な目標ですが、それだけではありません。自然豊かな山梨県は首都とも近く国内外から年間を通じて多くの旅行者が訪れる人気のエリアです。今後リニア中央新幹線が開業した際には、観光だけでなくビジネスの面でもますます人的交流が盛んになることが予想されます。そのような未来を見据え、県民の皆様へも公開講座や職域団体を通じて感染症教育の場を提供し、感染症に強靱な山梨県となるように活動をしてまいります。皆様の安心な生活に役立つ山梨大学の新たな講座となることをお約束いたします。感染症学講座の今後の取り組みに、ご理解とご支援を賜りますよう。

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